英検2級の二次(面接)試験は指示も含めすべて英語で行われます。時間は約7分です。
1.入室
入室したら”Could I have your card?"のように面接カードを提出するように面接委員から指示されます。そして、着席するように言われます。椅子が2つ置いてある場合は、面接委員に正対する椅子に着席をし、荷物を隣の椅子に置いてください。面接委員の自己紹介の後に、受験者の名前と受験級の確認があります。その後、面接カードが渡されます。
例)
面:How are you?
受:Fine. And you?
面:Fine, too. My name is________________. Could I have your name,please?
受:My name is____________.
面:Mr (or Ms)____________. This is the grade two test. Are you OK?
受:OK.
面:Here is your card. Please read the passage silently for 20 seconds.
2.パッセージの黙読と音読
面接カードが渡されたら20秒間で黙読をします。タイトルから何についての話なのか推測をするといいでしょう。パッセージの中に分からない単語があっても焦らずに全体的な内容を把握することを試みてください。20秒が過ぎると面接委員からパッセージの音読を指示されます。タイトルから大きな声で読んでください。分からない単語の前で止まったり、声が小さくならないようにしてください。読み方が分からない単語は、ローマ字読みでも構いませんので大きな声で読み切ってください。音読の評価は、(1)意味の区切り(2)個々の単語の発音(3)イントネーションを総合して判定されます。評点は5~1点の5段階で、3点以上が合格レベルです。基本的に日本語的発音でも聞いていてパッセージの内容を伝えているようでしたら3点は取れます。読みで一番気を付ける点は、意味の区切りで読むことです。区切るところは、カンマ、ピリオド、sense group(意味のかたまり)で区切ってください。そして、飾らずに自分の生の声で読んでください。
3.QUESTION No.1
パッセージの内容に関しての質問です。面接試験の中で一番点数が取り難い問題です。2級の場合ほとんど"How ~ ?"で尋ねられます。
例)
According to the passage, how ~ ?
"How ~ ? " で尋ねられている時は、”By ~ ing"で答えるのが一つの方法です。答は必 ずパッセージの中にありますが、ここで注意しなくてはいけないのは、答となる文には必ずthis・these・such・soなどの指示語があります。そのままそれらの指示語を入れて答えると評点2以下しか取れません。指示語が示していることをパッセージに書かれた具体的なことばで答えてください。
例)
Nowdays, reserchers are looking for ways to make driving safer. One way could be used cars that can drive themselves. Some car companies are developing these cars, and by doing so they are trying to reduce the number of accidents caused by human mistakes. 以下省略
No. 1
According to the passage, how are some car companies trying to reduce the number of accidents caused by human mistakes?
1)______By developing these cars. (2点 )
2)______By developing cars that can drive themselves. (5点)
3)______Some car companies are developing cars that can drive themselves. (4点)
*指示語のtheseが入っている1)は評点2です。3)は主語が代名詞に置き換えられていないので評点は4です。
パッセージの中で in this way とか by doing so と出てきたらその箇所が質問で聞かれると思ってください。this・these・such・soなどの指示語が表すことばは必ず一つ前の文章にありますので、冷静に内容を把握してから答えてください。No.1は答え方が難しい問題ですが、"I don't know."あるいは無回答にならないようにしましょう。両者ともに評点1です。どうしても分からない場合は聞かれた部分に近い箇所をそのまま読んでください。1点でも高い評点を取れるようにしましょう。二次試験の合否は全体の合計点で決まるので、この問題の不出来を引きずらずに頭を切り替えて次の問題に対応してください。
4.QUESTION No.2
3コマの絵のストーリ ーを20秒間で考え説明します。面接委員から次のように指示されます。
Now, please look at the picture and describe the situation. You have 20 seconds to prepare. Your story should begin with the sentence on the card.
絵は3コマ有りますが、描写ポイントは5つあります。ナレーションは絵の上に書かれた文章から始めます。過去形の文章なので、説明はすべて過去形で統一してください。描写ポイントは1つ目の絵で1つ、2つ目の絵で2つ、3つ目の絵で2つ合計5つのポイントを説明してください。1つ目の絵は必ず会話体になっていますので、~が「・・・・」と言ったと説明しましょう。2つ目、3つ目の絵では絵の中に吹き出しがありますので、それらも必ず説明しましょう。吹き出しは、会話体、思っている場合、✖がついている場合があるがありますので、きちんと区別して説明してください。
例)
One day, Mr Nakata was driving with his wife to the beach.
1コマ目①His wife said to him, "Let's take a break."
At a rest area
2コマ目②Mr Nakata was streching. ③Mrs Nakata was thinking of buying something to drink.
Two hours later
3コマ目④They were caught in a traffic jam. ⑤Mrs Nakata was afraid that they could not swim in the sea.
評価は、Section1(内容)、Secition2(文法・使用語いなど)でそれぞれ評点1から5です。難しいことばを使う必要はありません。知っている単語で文を組み立てて言えば相手に通じます。
5.QUESTION No.3
No.3の質問に入る前に面接委員より問題カードを裏返すように指示されます。
例)
Mr (Ms) ______, please turn over your card and put it down.
No.3は社会的な問題や社会の変化について受験者の考えを問う問題です。一次試験のライティングを口頭で行うものと考えていいでしょう。質問への答えは賛成でも反対でもどちらでも構いません。ただし、その理由・説明は2つ以上述べてください。ひとつのポイントしか述べられていない場合は評点3しかもらえません。答え方はライティングと同様な形式で答えても構いません。
例)
I agree / disagree. There are two reasons. First, ____________. Second, ____________.
No.3では、今までの質問と全く異なった質問がなされますので、頭を切り替えて対応してください。質問の意味がよく分からない場合は、時間を置かずに聞き返してください。暫くしてから聞き返した場合は「不自然な聞き返し」として1点減点される可能性があります。一度聞き返したにもかかわらずやはり内容が分からない場合は、もう一度聞き返して答えてください。2回の聞き返しは無条件に1点減点されますが、質問内容が分からないまま全く違うことを答えたり、無回答(評点1)になってしまうよりましです。No.3では次のような質問形式が多いです。
Some people say that ______________________. What do you think about that?
例)
1) Some people say that school should give students tablet computers to use in class. What do you think about that?
_____ I disagree. There’re two reasons why I think so. First, tablet computers are expensive. Second, they should spend more time on outdoor activities. (5点)
2) Some people say that more people today eat much fast food. What do you think about that?
_____ I agree. Fast food is cheap. (3点)
_____ I agree. There’re two reasons. First, I like fast food and eat it three or four times a week. Second, I don’t want to spend more money eating at a restaurant. (2点)
*このように個人的な事柄のみ答えた場合は、情報量が多くても評点2になりますので注意してください。
6.QUESTION No.4
No.4はペアクエスチョンです。最初にYesかNoを聞かれます。質問内容をしっかり聞いて、YES/NOどちらの方が答えやすいかを考えて答えましょう。ひとつ目の質問に答えられないと評点は1で終了します。二つ目の質問は、その理由が問われます。No.3同様、理由・説明は2つ以上答えてください。個人の事象のみの回答は評点2となります。
例)
It is often said that children today read fewer books than before. Do you think children should spend more time reading?
Yes. ➡ Why ?
_____ There’re two reasons why I say yes. First, reading is very important to improve their education. Second, they can know many things, interesting or useful, through reading. (5点)
No. ➡ Why not ?
_____ They should spend more time on exercises. (3点)*情報量が足りません。
7.退室
全ての質問が終了したらカードの返却と退出の指示があります。
例)
OK, Mr(Ms)__________. This is the end of the test. Could I have your card back, please? You may go now. Have a nice day. Good-bye.
退出の際は試験の内容にかかわらず、できるだけ笑顔で明るく”Thank you. Good-bye.”と言って退出してください。無言で立ち去るのはコミュニケーションの試験としてはあまり良くないと思います。面接委員に好印象を与えることは、アティチュードの評価に決してマイナスになりません。
8.攻略ポイントの整理
1)入室から退出まで明るく明瞭な声で対応してください。
2)パッセージの音読では、読み方が分からない単語があってもそこで立ち止まらずに自分なりに読み切ってください。
3)質問内容がよくわからない場合は、すかさず聞き返してください。
4)絵の説明では、文法、語法が間違っても5つの描写ポイントを言ってください。
5)No.3・4の問題では、理由・説明を文章で2つ以上述べてください。
英検の試験は、ただ単に知識のみを問うのではなく、受験者の意見や考えなどを英語で表現するコミュニケーション能力が問われます。特に準2級以上では社会的な問題や事象などが尋ねられます。日頃からいろいろな事柄に広く意識を持ち、英語ではどのように言うのかと頭の中で常にシュミレーションしているといいでしょう。
※解答例の評点は、今までの指導経験に基づいた推定点です。
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