ライティングを苦手にしている人は多いと思いますが、実はこのパートはやり方さえ覚えてしまえば点数が取り易いパートです。基本は2級・準2級と同じです。
（１）3つのコツ
①読み易い文章で
②自分の意見を言い通す
③具体的な例などを入れる
① 読み易い文章で
難しい文法や難易度の高い語を使う必要は必ずしもありません。英検公式サイトの模範解答はとても立派な文章ですが、同じ様に書こうとすると筆が進まなくなるので、一つの参考としてとどめた方が良いでしょう。あくまでも自分のことばで分かり易く書くように心がけましょう。
② 自分の意見を言い通す
ライティングは議論の場ではなく、自分の意見を分かり易く述べる場です。こんな意見だと反論されるのではないだろうかと不安に思わず、一貫して自分の主張を言い切ってください。
③ 具体的な例を入れる
理由を補足する方法として具体例を挙げると説得力が増します。
（２）構成の仕方
次の4段落で構成するといいでしょう。
① 主張（賛成か反対）(introduction)
② 理由１(main body１)
・理由１の補足・具体例など
③ 理由２(main body２)
・理由２の補足・具体例など
④ まとめ（主張をもう一度述べる）(conclusion)
（３）各段落の書き始め
① 主張(introduction)
賛成の場合： I think that ~ that以下は、TOPICの設問の文章を記入します。
反対の場合： I don’t think～
② 理由１（main body１）
First，～
③ 理由２（main body２）
Second，～
④ まとめ(conclusion)
For these reasons, ～ ことばを替えて①の主張を繰り返します。
（４）ライティングの解答例
2018年度第2回の問題を上記（１）～（３）に沿った形で解答してみます。
問題
●Write an essay on the given TOPIC.
●Use TWO of the POINTS below to support your answer.
●Structure: introduction, main body, and conclusion
●Suggested length: 120-150 words
●Write your essay in the space provided on Side B of your answer sheet.
Any writing outside the space will not be graded.
TOPIC
Should Japan do more to protect its historic sites?
POINTS
●Cost
●Development
●Education
●Tourism
I think Japan should do more to protect its historic sites. There are two reasons why I think so.
First, it is beneficial for Japan’s tourism to protect historic sites. Nowadays, Japan attracts many foreign tourists. One of their purposes of their coming to Japan is to visit historic sites. If we put more importance on keeping historic sites in good condition, the number of visitors from abroad as well as from domestically will increase.
Second, to know the local history is one of good tools for children’s education. By knowing how ancient people lived through the historic sites in their community, they will be aware of local identity and have pride. At the same time, they may have more opportunities to have communication with foreign tourists who visit the historic sites in their community.
For these reasons, I believe the protection of historic sites in Japan is necessary.
(149 words)
（５）解答例について
英検サイトの模範解答例と比較してみてください。模範解答のように洗練された文章ではありませんが、読んでいて分かり易いと思います。準1級だからと気負わずに、自分の知っている語句で素直に自分の考えを伝えるようにしましょう。何を書くかは、4つのPOINTSが書く内容のヒントになります。２つのポイントを取り上げ、それらに沿って構想（理由１・理由２）を練ってください。字数は120－150字ですが、そんなに気にしなくても「（２）構成の仕方」で述べた4段落の構成で書くとだいたいこの字数に収まると思います。今までの経験の推測ですが、若干の過不足は減点の対象になっていないように思われます。字数よりも全体の構成と内容の方が大事だと思ってください。
（６）採点方法
ライティングの採点は次の4つの観点をそれぞれ0～4点で採点されます。16点満点です。
① 内容
② 構成
③ 語彙
④ 文法
内容は、指示されたTOPICの内容について述べられていないと判断されると、ライティング自体の点数が0点になりますので注意してください。もうひとつ注意しなければいけない点は、一貫性です。YESという意見であれば、最初から最後までブレずにYESで貫いてください。NOの場合もしかりです。
構成は、(2)で説明した①から④までの内容を段落ごとに述べれば高得点が望めます。それぞれの段落では必ず改行をすることを忘れないでください。
語彙は準1級レベルの語の使用がベストですが、それにこだわらず自分が表現しやすい語句を使用して文を組み立てれば良いと思います。綴りの間違いは当然避けるべきですが、どうしてもあやふやな場合でもその語を絶対に空欄にしないでください。読み手が理解できれば綴りミスで減点になっても、内容では減点されません。
文法のミスも避けるべきですが、文法のミスを恐れて文章が書けなくなるのは致命的です。小さな文法のミスがあっても、言いたいことが伝われば内容点はもらえます。このように考えて、文章を綴ってください。
（７）その他
①ライティングの解答時間
最大限25分以内で終わらせるようにしようにしてください。25分のうち最後の5分は見直しにあて、綴りや明らかな文法のミスを訂正するようにしましょう。
②1次試験解答の順序
リスニングを除くと、Part４のライティングは一番最後に配置されています。人によって解答の順序はまちまちですが、私が受験生に薦めているのは、Part１の短文の語句空所補充問題(25問)から始め次にPart２、Part３を飛び越してPart４のライティングを解く方法です。この方法だと、最後にPart３の長文問題を解くことになります。Part４以外は選択肢を選ぶ問題なので、最悪時間が無くなった場合は適当に解答だけを記入することができます。
③ライティングの練習方法
実際に時間を測って書いてみましょう。題材は問題集またはウェブサイトからも探すことができます。その際はできるだけ模範解答があるもので練習した方がいいです。ただ、英作文を添削するのはそれなりの語法・文法の英語力が必要なので、できれば解答は自分より英語ができる人に見てもらうのが良い方法だと思います。ここに記載した方法で解答し、１５ポイントを獲得（９４％の正答率）して１次試験を突破した中学２年生の方がいます。
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